転職を決意した理由と目的を明確に
世の全ての35歳以上のエンジニアの方々に共通するとは限りませんが、一般的には結婚されて育ち盛りのお子様がいらっしゃる、一家の大黒柱的存在でおられると仮定して、以下話を続けさせていただきます。
一昔前と比較して、自身のスキルを武器とする転職先の受け皿は各段に広くなっており、特に売り手市場とされるエンジニアに関しては、常に何らかの募集情報が飛び交っている状況と言っても過言ではありません。
それでも未経験あるいは年齢的に若く独身で、エンジニアとして自身が希望する仕事に就く事が叶えば、まずは必要十分条件を満たす転職と捉えられる方々とは違い、35歳以上の場合、譲歩したくとも譲れぬ諸条件が自ずと増えて当然です。
ここで最初にキチンと為しておくべき作業として、転職を決意した理由と主目的を明確に見据え、特に既婚者の方であれば、奥様を含めたご家族内での意識の確認と共有が欠かせません。
「ご家族の現在から将来の為に」が大前提であれば、更なる年収アップからの安定した確保が最優先なのか、不規則な長時間勤務が避けられぬエンジニア以外の職業への転職を通じ、家族との時間を確保したいのかなど、明確に目的を見据えた転職でなければ意味がありません。
あるいは肉体的に徹夜続きに耐えられず、将来健康状態を害した場合のリスク回避、あるいはあくまで生涯エンジニアとして従事したくとも、現職場ではその可能性が期待出来ないなど、ご自身の希望が1番に存在する場合も同様です。
眠らせていた資格や特技を活かす
35歳という一般的には求人情報自体の絶対量が一気に激減する上限とも言える、35歳ギリギリまで転職を踏み止まられた方々が転職に踏み切られる場合、各々が何らかの切実な事情を抱えておられて当然です。
転職を熟考中の当事者の心情としては、今後もIT業界でエンジニアとして更に高みを目指したいのか、あるいは別の世界へのりトライから、家族と自身の理想と描く未来の具現化を最優先したいのか、先ずはこの二者択一が直近の現実問題でしょう。
この場面でお薦めしたい自問自答作業として、かつてエンジニアとして歩み始められる以前に取得され、結果一定期間埃を被っていた、公的に謳う事が叶う特技や資格の再検証を挙げておきたいと思います。
IT関連とは直接深く関係しないと思われる国家資格、あるいは同業界でも注目されつつも、自身の職責に於いては駆使するチャンスが無かった英会話力など、結果「しまい込んでいた特技や資格」を、転職に際しての武器とされるのも有効です。
幾分錆び着いた感は否めずとも、かつて確かに身につけた能力ですので、暫し磨けば直ぐに思い出せます。
特に英語力は業界内外の幅広い分野で求められるスキルの筆頭格ですので、急がぬ転職を時間的に余裕を持ってお考えであれば、現時点から本格的に勉強を始めてみるのも一案です。