市場シェアがドライに反映する年収
全ての経済社会に於ける数々の歴史を検証する時、遠い昔国語の授業で学んだ「盛者必衰」を具現化したかの如き事例が数え切れません。
自由経済社会に於いて、競合同業者との切磋琢磨は回避不可能であり、この摩擦こそが業界全体の成長に追い風を届けているのも事実です。
とりわけ物凄いスピードで変化と進化を見せ続けるIT業界では、この傾向が一際顕著で当然です。
まるでレースの先頭集団のデッドヒートの如く、トップランナーが独走態勢を見せたのも束の間、次々と後続に抜き指されテレビ中継のフレームから消えてしまう「あの展開」が常に生じ続けているのが同業界です。
中でも各々の専門分野を武器に活躍中のエンジニアの方々は、そうしたマッチレースの当事者として、時に自身のスキルの優劣とは無関係な部分で、年収の大幅な上下なる現実との対峙が続いています。
例えばIT業界の黎明期から急速普及機に圧倒的なシェアを誇り、相応以上の高年収を当然としていたエンジニアが、突然登場した後発乃ライバルに市場を一気に奪われ、右へ倣え的に年収も大幅ダウンというケースは数え切れません。
裏返せば現時点では新進の注目株が、一気に市場拡大からエンジニアのニーズとステータスも急上昇となる可能性は十分以上であり、特にこれからエンジニアを目指す方々にとっては、こうした部分の見極めが非常に重要な作業となります。
Rubyの急成長が為し得た新旧交代
既に業界内外で囁かれる事実として、Rubyのエンジニアの年収の右肩上がりの急上昇に対し、かつて隆盛を誇ったPHPのエンジニアの現実が見過ごせません。
2000年代に一気に市場を拡大したPHPのエンジニアは、当時高収入が話題のエンジニアとして花形的存在に他なりませんでした。
ですが、後発のライバル製品が各々の優れたメリットを武器に、確実に自社市場を拡大し続ける中、PHPは安定した市場を確保しつつも、完全に「一昔前をピークに守りの態勢に入ってしまった」と映るのも事実です。
保有する市場商圏が少しずつ収縮を見せ続ける状況下、勢いを増す新進ライバル達と比較して、年収面でマイナスが生じてしまうのもまた、経済社会に於ける避けられぬ現実です。
対して年収の確実な上昇が噂されるRubyのエンジニアですが、こちらは売り手市場が今後も当面続くと予想されます。
安定期を迎えて久しいPHPのエンジニアと比較して、人材の絶対数が不足した状況が続いており、Ruby乃エンジニアという存在そのものの稀少価値が高まりを見せているのも、結果年収アップの要因となっています。
現在Rubyのエンジニアを目指される方々にとっては、今が最も強い追い風に恵まれるタイミングと判断出来、希望する年収の確保を絶対条件と見据える方々にとっては、今が格好の環境に違いありません。